フリーダ・カーロとセクシズム
ブルックリン・ミュージアムのフリーダ・カーロ展に行った。オンラインチケットはソールド・アウトで、当日券で行った人気の展示である。
メキシコシティのフリーダ・カルロの家に行ったことがある。彼女のために特注で作られた風呂を見て、その小ささに衝撃を受けた。
社会主義や革命に深くコミットして社会の前進を信じた。ディエゴ・リベラと結婚しながら、たくさんの恋愛をした。女性と恋愛していたこともあるし、男装をしたりもしていた。どれだけ進んでいたのだろうか。そしてたくさんの痛みを抱えていた。
20歳年上の夫ディエゴ・リベラと、22歳で結婚した。ディエゴはスーパースターになって、世界各国で壁画を描いた。当時の西側メディアは、彼女の容姿やディエゴの妻であることばかりを書いてセクシストの上から目線ををまる出しにしたが、いつしか彼女はディエゴをしのぐ大スターになった。そして、女性性を理由にできる女の評価を下げるタイプのセクシズムは、今の世の中にも存在する。
そういえば、この間、2度めのメキシコシティ訪問で、バラガン邸を案内してくれた人が、私たちがディエゴ・リベラを知らないと思って「フリーダ・カーロの夫です」と説明した。そして死後60年以上が過ぎた今、ブルックリン・ミュージアムのショーが連日ソールド・アウトになっている。
フリーダ・カーロが今、あの世から下界で起きていることを見たらなんと思うだろうか。喜ぶだろうか。それとも進歩が遅いと怒るだろうか。
備忘録:1933年のフリーダ・カーロについての記事「マスター壁画作家の妻、陽気にアートに手を出す」(Open Culture)
Yumiko Sakuma