カニエ復活説
カニエのコーチェラのSunday Serviceを見たミレニアルの男友達ジョニーが興奮していた。
「カニエは復活したよ。#MAGAをやってたときのカニエは、きっと処方箋薬を摂ってなくておかしくなっちゃったんだよ」
出た。「あのときのカニエはおかしかった説」。
白人至上主義を容認する政権への擦り寄りを含む一連のカニエの「奇行」は、思い返してもやっぱりショッキングで、カニエの好き嫌いにかかわらず、あれだけの影響力を持つ天才が、カニエを好きか嫌いかにかかわらず、自分たちが決して認めることのできない政治的思想を吹聴する結果になったことに傷つき、裏切られたと感じたり、腹を立てたりしている人は少なくない。ジョニーもそんなひとりだったはずだ。
「へー」とつい懐疑的な声を出したらじろりと睨まれた。
「でもさー、あれだけのダメージを及ぼしたわけだからなあ」。
「No he didn't! 」
すっかりカニエをかばうと決めたみたいである。
ほんとかなあ。と思いながら、インターネットを徘徊する。
Sunday Serviceは日曜に教会で行われる礼拝のこと。ここしばらくカニエが、招待オンリーでやってきた日曜ミサをのパブリック版。そりゃあすごいできである。そしてやっぱり、今回の「礼拝」は、カニエが自分の物語を書き換えるために用意したのだと受け取られている。そして「Church Cltohes」と書かれたテントでマーチを販売したことが批判されている。そりゃファンたちはほしいだろうけれども。さらに、会場の芝生が売られたりしている。
カニエの世界に巻き取られた自分にハッと気がついてやめた。カニエの音楽以外のところに時間使ったら負けであるよ。でもせめて奴隷制やトランプについて言ったこと、撤回してほしいなあ。
Yumiko Sakuma