DiaryYumiko Sakuma

ルインスキー、コルター、デッドヘッズ

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ルインスキー、コルター、デッドヘッズ

Slow Burnというポッドキャストのシーズン2に夢中になっている。テーマはビル・クリントンとモニカ・ルインスキーの「不適切な関係」をめぐるスキャンダルとその後の断崖騒ぎである。98年に卒業し、某新聞社のNY支局で丁稚のような仕事をしていた頃が、この事件のピークで、ケネス・スターという独立捜査官が書いた報告書のなかから問題の箇所にハイライトをしたりしていた。その頃は、たかがBJ(オーラルセックス)で何を騒いでいるのだと思っていたが、今、数々のインタビューなどを通じて再構築されたストーリーを聞きながら、この事件の政治的な意味や、共和党が民主党に反感を強めた背景が少しずつわかってきた。

政治的なあれこれは別にして、当時24歳だったモニカ・ルインスキーが世間やメディアにどういう扱いを受けたかを考えると、フェミニズムの失敗としかいいようがない。24歳の女子が大統領に恋をし、大統領もそれに乗った、そこから彼女は大人たちの事情に巻き込まれて公開処刑にあったわけである。(モニカは#metooのときにエッセイを発表し、そのことは「My Little New York Times」にも書いた)

ところでこのポッドキャストを聞いていてひとつ衝撃的なことを知った。アンチ移民で極右の論客アン・コルター(今回の政府のシャットダウンも彼女が大統領を脅したことが原因のひとつである)が自称デッドヘッドであるということである。デッドヘッドというのは、グレイトフル・デッドのおっかけをしていた人たちのことであるが、広義にデッドのファンという意味でも使われる。ちなみに下院の議長のナンシー・ペロシやウーピー・ゴールドバーグもデッドヘッドだったらしい。デッドが推進した文化や価値観と、アン・コルターが今やってることには限りなく開きがある。なんだか釈然としない。

グレイトフル・デッドのことは映画などにもなっているが、数年前にこんな記事が出ていた。

備忘録:グレイトフル・デッドのファンはいかにしてデッドヘッズになったか(Time)