DiaryYumiko Sakuma

ムラー捜査官によるトランプ捜査ダイジェスト

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ムラー捜査官によるトランプ捜査ダイジェスト

ちょっと前にロバート・ムラー捜査官のトランプ大統領とその周辺の人間たちにが、ロシアと共謀したか、またそれを隠すために司法妨害をしたか、という捜査の報告書の「一部が隠されたバージョン」が、すったもんだの挙げ句発表された。

社会人一年目にモニカ・ルインスキーとビル・クリントンのあれこれについての報告書を読んだなあと思い出しつつ、400ページ以上ある報告書を自分で読む気にはさすがになれずに、その後の報道で、各社がいろんな分析をしている記事を読んでいる。

日本ではあまり報じられていないと思うので、ダイジェストを書いておこうと思う。ロシアと共謀行為をした証拠が見つかった人たちはすでに起訴されている。結論からいうと、トランプ大統領本人が司法妨害をしたか、という点については、ムラー捜査官は、さんざんいろんなストーリーを積み上げて、「結論を出さない」という方法論を選んだ。しかし、報告書には、妨害をしようとした、という様子が克明に描かれている。しようとしたけれど、側近やスタッフから止められ、結局、明確な違法行為に及ぶには至らなかった。そういうことらしい。おまけにたくさんの証言を得て積み上げられた報告書には、普段外に出ないはずの弁護士と大統領のやり取りなども描かれている。トランプが怒り狂うところなども含めて。

もちろんホワイトハウスも大統領も「司法妨害はなかった!」とドヤ顔をしているわけだが、その通り解釈している人はいない。司法妨害を試みたことは確かなのだ。銀行強盗は、実際にやらなくてもやろうとしたら捕まるよね?などという声も聞こえるが、ムラー捜査官は、現役の大統領が「司法妨害を試みた」ことを証明しつつ、そこは起訴しないという決断をしたわけである。

問題は、民主党が弾劾の手続きに踏み切るかどうかなのだけれど、民主党の中には、これが政治的にはマイナスと出ると危惧している人もいる。が、弾劾しないという選択肢は残されていないのではないかという声もある。そして、共和党側にも、離反者がちょろちょろと出始めた。その一人には、共和党の有力者ミット・ロムニーユタ州上院議員(元マサチューセッツ州知事、元大統領候補)もいる。こういう声はまだまだ少数派だけれど、化ける可能性もある気がする。

そしてトランプ大統領をめぐるサーガは続いていく。

備忘録:ムーラー報告書が共和党が必要とする票を遠ざける可能性(The Atlantic)