ここ最近の日本の見え方
仕事を片付けて山に行こうと思ったら、タイヤがパンクしておった。タイヤはもうやってない時間だし、この週末は山に行くのは諦めて、静かな週末のブルックリンで原稿を書くことにした。どうせ寒いしな。
五輪の贈賄疑惑をめぐる報道を見ていると、いよいよニュースを読むリテラシーが求められているなと思う。フランス語ができないので、現地の報道を理解する力はないが、フランス語が読める人たちの解説を見ていると、フランス報道機関の報道内容と、日本のマスメディアの報道内容に乖離があることに気がつくからだ。日本のマスコミは、想像していた以上に独立度が低い。政府の見解をそのまま報じているところが多いのはまだしも、明らかに政府寄りの内容も散見される。そもそも今までの経緯を見ていると、なにをそんなに躍起になって五輪を開催したいのかもわからないが、これで五輪開催返上などということになったら、どんな大騒ぎになるだろう。それとも、そんなことが起きても、日本の人々は怒らないのだろうか。
最近の、日本の見え方が気になっている。気になっているというよりは、深刻な問題だと感じていると言ってもいい。私がアメリカにきてからの22年の大半は、「日本のネタはあまりニュースにならない」という時代が続いた。が、最近は、医大の女子減点問題やら、レイシズム問題やら、アイドル謝罪問題、SPAの書きたくもないバカバカしい企画やら、不名誉な話題が逐一ピックアップされる。その理由は、日本の外の社会の進展とはあまりにかけ離れた時代錯誤がまかり通っているところにある。日本は日本、海外からどう思われたっていいよ、という意見もあるだろう。でもね、ひとつ言えるのは、日本はかつてずいぶんイケてる文化だと思われていたんですよ。私だってそう思っていた。日本人だというと「クール!」と喜ばれる場所に来たわけだから「私、イケてる国から来たんだ」と思っていたこともある。それが最近はどうだ、日本というブランドにマイナスなことばかりである。正直なところ、まだクールだった時代(があったとして)の貯金があるようだが、このままいくと、人権も平等も報道の自由もない人種差別主義・女性差別主義の遅れた国に見え始めちゃうよ。単純な話、進んでる社会だって思われたほうが、よっぽどいいと思いませんか。