情熱の見つけ方
母と「万引き家族」を見に行った。血のつながりとか、血のつながらない人同士の絆といったテーマを、自分を産んだ人の横で考えるーーなかなかな体験であった。
この数ヶ月、やってきたメンターシップを今日、完了させた。ある20代の女子と週に一度話し、彼女のゴールに向けて、その都度、課題を出す、という作業をやってきた。スポンジのようにどんどん吸収していく若者に家庭教師のような役割をすることで、たくさんの気づきをもらった。そして家族や恋人でない誰かのために何かをするっていいね。無償のポジティブなエネルギーの交換になった気がする。そういえば、この週末には卒業して何年か経つ元アシスタントとランチをし、卒業して行った彼女の近況報告を聞きながら、どんどん大人になっていくなあなあと目を細めた。こうやってたまに連絡をくれる卒業生たちがいるってのは幸せなことだ。
ところで、いろんな機会に学生さんや後輩と交流するなかで、自分が情熱を持てる職業を見つけた過程について聞かれることがあるのだが、「情熱を追いかけなさい」というアドバイスは間違っているという研究結果についての記事を読んだ。若い人は、頭の中で電球が光るような「情熱と出会う瞬間」を待つ傾向がある。そんな瞬間を期待することが若者を短気にする。そんなに簡単に「情熱が見つかった!」というような瞬間はやってこない。地道に何かを追求するということも必要なのだという内容の記事だった。自分の場合は、これしかできそうなことがなかった、という消極的な選択だったけれど、人より得意なこと、時間を遣っても苦にならないことをコツコツやっていくと、それが結果的に「情熱」になる、というのが理想なのかなと思う。
備忘録:「情熱を追いかけなさい」はヒドいアドバイス(The Atlantic)
Yumiko Sakuma