情報と情緒

情報と情緒

ニューヨークにいらっしゃっている出井伸之さんのお食事会に参加させていただいた。最近「さようなら未来」を刊行した若林恵さんの話題になった。出井さんもわかさんのことは好きだという。「あの人の言ってることはほとんどの人にはちんぷんかんぷんかもしれないね。あの本に書いてある内容を凝縮したらずいぶん薄くなるかもしれないけれど」とおっしゃって、「そりゃあそうですよ、情報じゃなくて情緒ですから」と答えた。

答えてから自分ではっとした。今まで、情報をドライなものだと思ってきた。が、情報だけだとするっと入って、またするっと出ていってしまう。深くには残らないのだ。残るのは、感情に訴えかけられた情報である。そして情報時代だからこそ感情や情緒の重みが増している。日々、ローカルニュースから遠くの戦争まで、日々起きる出来事に「これに自分はどう感じればいいのだろう」と自問自答する。無意識のうちに情報に感情を足すという作業をしていて、それが日々、書きたいことを見つける結果になっている。

マーケティングの世界でも、感情に訴えかける広告が求められているという記事を読んだ。 90年代から2000年にかけては、ユーモアと皮肉の時代だった。今は、消費者の感情とコネクトできるか重要なのだという。。

備忘録:心に訴えかけながら頭としかつながれない市場調査(Fast Company)