ヘイトか表現の自由か

写真家の渋谷ゆりちゃんがニューヨークに来ているというので、じゃいこちゃんと3人でランチをした。食べたいものを思いつかない。ベジ・バーガーを買ってトンプキン・スクエア・パークでゴロゴロした。気がつけば服を着た私たちはマイノリティで、まわりは水着姿の人ばかりであったよ。

ねえねえギャビン・マキネスがTwitterから永久追放になったニュースみた? とじゃいこちゃんにふってみる。マキネスは、Viceのファウンダーの一人で、私は直接は知らないけれど、いっときはこの界隈に生きていた人である。なぜかそのあと激しく右傾化し、今はProud Boysという男性だけで構成される極右組織のリーダーになった。Apple、YouTube、Spotifyなどが、サンディ・フックの学校乱射事件は詐欺だと主張する陰謀論者アレックス・ジョーンズを永久追放したときも、「ルール違反をしていない」という理由で、右へならえをしなかったTwitterであるが、マキネスとProud Boysのアカウントを永久凍結したというニュースがざわついていたのです。

右派からは「表現の自由の侵犯」「検閲」だとの抗議の声があがっている。日本でもそうであるけれど、ヘイトに直面したときに表現の自由をどこまで守るか、というのは難しい問題である、ということになっている。インターネット企業が検閲するなんて危険だ、という声もある。しかし、こうしたプラットフォームはみな私企業であって、それぞれがルールやガイドラインを設けている。それを破れば追放されるのは当たり前。だから、これは表現の自由問題ではない、と私は思っている。

それにしてもギャビン・マキネスがなぜこんな人になってしまったかはまったくの謎である。たまに話題に上るけれど、誰も答えを持っていない。 

備忘録:Proud Boysについて(Southern Poverty Law Center)