DiaryYumiko Sakuma

ニューヨークの北部

DiaryYumiko Sakuma
ニューヨークの北部

週末は山の家で。

ブルックリンの家から約1時間半北上した森林地帯。ニューヨークシティの「郊外」にあたる街を抜けて、カナダ国境までの地域を広くアップステートと呼ぶ。みんなが知っている「ニューヨーク」とはまったく違うばれる広大な自然が広がっている。

ニューヨークシティは80%以上が民主党に投票するリベラル都市だけれど、ブロンクスを出ると、徐々に共和党支持者が増え、だんだん赤くなっていく。近所には、ニューヨークシティから退却してきたリベラルな熟年カップルやレズビアンのカップルもいるけれど、車で動くと、セカンド・アメンドメント(自衛権、つまり銃を持つ権利)も多いし、トランプ支持のサインを見ることも多い。秋になると、狩りが始まり、銃声が聞こえてくるような土地柄だ。

同じ州なのに、政治的な考え方がまったく違う。生活の現実が違うのだから当たり前だ。ニューヨークの州議会はアルバニーにある。州の法律はアルバニーで決められるわけだけれど、ニューヨークシティの現実に関わるようなことがアルバニーで決められると、問題も起きる。たとえば最低賃金の問題は州マターだけれど、シティそその他の地域では経済的な現実がまったく違うわけだ。

そういえば、昔、ニューヨークシティとそれ以外の地域を分離して別の州にしようというムーブメントがあったなあと思いだしてみたら、それは今も続いているらしい。

20年前に、ニューヨークシティからの「独立」を訴えた人の文章に、

「ヤンキースを失う、それには反対だ。でもドナルド・トランプも失う。それはポジティブなことだ」と書かれていた。

その頃のドナルド・トランプは、アップステートから見ると、民主党的堕落の象徴だったのかもしれないな。

備忘録:アップステートとダウンステート、ニューヨーク分離運動が成功しない理由(Democrat Chronicle)