DiaryYumiko Sakuma

メキシコのレスリングで考えたこと

DiaryYumiko Sakuma
メキシコのレスリングで考えたこと

メキシコのレスリング、ルチャ・リブレに行ってからずっと考えていることがある。

ルチャ・リブレには、小さい人たちのマッチがあった。「普通」のレスラーのマッチ以上、と言ってもいいくらい盛り上がっている。一緒に言った友人たちが「これアメリカでは問題になるやつだよね」と言った。

思えば私も20年以上、アメリカに住んでいるわけで、価値観は、アメリカ人のそれに近いのかもしれない。小さな人たちのマッチが始まったときは、いいのか、これ、とむずむずしてしまった。

調べてみると、この「ミジット・レスリング」と言われる分野は、50年代から60年代には人気があったらしい。やっぱり、小さい人たちの団体から抗議があって、廃れていった、ということらしい。が、なくなったわけではなくて、今も、バーなどでイベントが行われていて、それがときどき問題になっている。

欧米で問題になっているのは、正式なレスリングのマッチというよりは、「ドワーフを投げる」的なイベントである。それは確かにだめだろう・・・。見世物にしたり、馬鹿にしたりしているのであれば大問題だ。が、私が見たルチャ・リブレのマッチに、馬鹿にしたり、見下したりするような感じはまったくなかった。それどころか、彼らの生き生きした姿に私は感動すらした。この問題に詳しくないのを承知で言えば、「けしからん」という声に、追いやられていったアメリカの小さいレスラーたちが、ポリティカル・コレクトネスの届かない場末のバーなどでパフォーマンスしているのだとしたら、なんだかやりきれない。難しい問題である。

備忘録:ドワーフ・トッシング禁止の法案、オリンピアの公聴会で議題に(The Seattle News)