DiaryYumiko Sakuma

日常の必要性

DiaryYumiko Sakuma
日常の必要性

朝から水道管のパイプを直す人が出入りした。ニューヨークの家は築100年近く経つ古いビルで、愛すべきキャラクターには溢れているのだが、一筋縄ではいかない。帰ってくるたびに、何か問題と戦うために戻ってきているような気持ちになるよ。ニューヨークのストレスは、だいたい家と関係しているのだ。

旅をしている最中は、こういうトラブルと対処しないといけない羽目にはほとんど陥らない。あ、そうか、だから私は旅が好きなのか。問題もたくさんある現実社会から逃避したいからなのだった、という自明の事実について改めて考えたりして。

でもそれが「日常」というやつで、水道管がつまってキッチンの水が流れなくなった、というストレスフルな状況が起きても、やれやれと思いながら、かつてのようにストレスが頭の先から溢れそうな気持ちにはならない。適度に逃避しているから。それどころか、自分の足を地につけてくれるのは、こういう現実があるからなのだ。

というわけで、日常と非日常を行ったり来たりしながら、自分にとって必要な「家」について考え続けている。

備忘録:家という感覚を植え付ける心理学(PsychCentral)