最初の女性候補への攻撃
新年が明けてすぐに、マサチューセッツの上院議員エリザベス・ウォーレンが、2020年の大統領選に向けた民主党の準備選への立候補を表明した。
ウォーレンは、ワーキング・クラスのワンダーウーマンである。決して裕福でない家に生まれながら、教師になり、弁護士になり、上院議員にまでなった女性で、汚職や大企業に甘い法律をビシビシと追求していく姿には、これまでいつも惚れ惚れしてきた。去年、知人にウォーレンが自ら読むオーディオ・ブックをプレゼントされて、あっという間に聞き終えてしまった。頭脳明晰で、語り口に説得力があり、ルックは硬めだけれど、ユーモアのセンスもなかなかにあるし、カリスマ性も高いということがよくわかった。
ウォーレンの最近の「ちょんぼ」は、ネイティブ・アメリカンの血を引くと言ってきたことを、トランプの挑発に乗ってしまい、DNA検査の結果を公開したことだった。ネイティブの血が68分の1だったことから、わずかな血を政治に利用していると揶揄される結果になった。これが「政治的誤算」とされた。
どうやら、私の周りを見回してみても、ウォーレンの立候補にワクワクしている人はあまりいないようだ。DNA事件の前は、そんなことなかったような気がするなあ。ひとつの事件で人々の認識ががらっと変わってしまう。印象って恐ろしい。そして早速、ウォーレンは、いろんな方面から攻撃を受けている。そしてウォーレンの「好感度(Likability)」を早速取り沙汰するメディアが「セクシズム」のそしりを受けている。
出馬発表とともに公開されたビデオを見たけれど、なかなかである。早速始まったネガキャンにげんなりしつつ、ウォーレンがどこふく風なことに胸をなでおろす。健全な戦いがないと、強い候補者は生まれないということで、希望を持つことにしよう。
備忘録:エリザベス・ウォーレンの「好感度」?アメリカのメディアは2016年から何も学ばなかった(The Guardian)