お父さん問題とグループ・セラピー

お父さん問題とグループ・セラピー

ファッション・ウィークをよそに、ゾンビ状態からの脱皮作業にいそしんでいる。時差ボケ中は毎晩出かけるに限る。まごさんとの食事で、映像作家の砂入博史さんと話をしていて、アメリカ男たちの痛みの話になって「お父さん問題」が出た。そこから、アメリカの刑務所の服役囚たちのグループセラピーに密着したドキュメンタリー「The Work」について教えてもらったのだが、そのあとひろしくんはこう言った。「でもね、ヨーロッパの男たちのグループセラピーのドキュメンタリーも見たことあるんだけど、そっちは『お母さん問題』」だった。うーむ深い。ちなみにヨーロッパのほうの作品は、もう数十年前に見たそうで、タイトルもわからないというので探してみたが、それだけの材料だとどうにも見つからない。知ってる人がいたら教えてください。

帰宅して「The Work」を早速みた。服役中の参加者が、外の世界に住むボランティア、そしてカウンセラーたちとともに、自分の内部に入り込むというグループ・セラピーの映像に、どれだけタフに見える男たちでも、子供の頃のトラウマを抱えているのだということを教えられる。そして必ずといっていいほど、それは父親や父親の不在に関係している。Inside Circleという非営利団体が運営するこのプログラムに参加した男たちは、一度出所すると二度と戻ってこないのだという。

備忘録:フォルサム州立刑務所では「修行(the Work)」が男たちを解放する(The New York Times)