移民に娘を殺されたある父親の勇気
先月ジョギング中に行方不明になって捜索が行われていたアイオワの女子学生モリー・ティベッツさんが遺体で見つかったという事件をニュースで見ていたが、つかまった犯人がメキシコからきた労働者だったということを知り、心が重くなっていた。こういうことはすぐに政治に使われるから。案の定、ドナルド・トランプ・ジュニアがThe Des Moines Register(アイオワの新聞)に寄稿して、民主党とリベラルの移民政策を批判したうえに「モリーは左派の開けた国境への愛の最初の被害者ではない」と、あたかも今回の殺人事件が左派のせいであるかのような論を展開した。心配していた通りである。
これをうけて、モリーさんの父親が同じ新聞に寄稿文を発表した。モリーが人種差別だと考えていた政策を進めるためにモリーを利用するのはやめてくれ、と。「The person who is accused of taking Mollie’s life is no more a reflection of the Hispanic community as white supremacists are of all white people. (白人至上主義者が白人を代表しないように、モリーの命を奪った人物は、ヒスパニック・コミュニティを代表するものではない)」。そして、モリーの死を受けて、攻撃されているヒスパニック・コミュニティに対して謝罪までした。このパワフルなエッセイを読んで私は泣いてしまった。なんか最近、ニュースを見るたびに泣いてるなあ。
evil will succeed only if good people do nothing(善良な人たちが何もしなければ悪は成功する)
備忘録:モリー・ティベッツの父、人種差別を進めるために娘の死を使わないように嘆願(The New York Times)