ポジティブな怒り

ポジティブな怒り

夕方の便でバンコクに来た。ホテルにチェックインした頃には真夜中近くで、ベッドに潜り込みそうになるところを、夜の街が盛り上がっているのを見て、バンコクの土曜の夜を楽しまないと!、と、前回できた友達に連絡すると、アフター・アワーズの店に行こうぜということになり、遊びに行った。2時過ぎに到着したときには空いていたクラブがどんどんいっぱいになっていく様にウキウキしました。

相変わらず燃え続ける東京医科大学の問題をめぐるネット言論をウォッチしている。女性の医師たちはこんな環境と戦ってきたのか、と驚く一方で、ふりかえると自分も小さいながら「女に何ができるんだ」という考えと戦ってきた部分はある。キャリアが長くなるとこういうこともそうそう起こらないのだけれど、つい最近も、アウェイの現場に行ったら年配のおっさんに「女性だとは聞いてなかったな」と言われ、満面の笑みで「女性だったら何か変わるんですかねえ?」とフレンドリーに返したら、大変困った顔をしていた。

私だって怒れるババアと思われるのは嫌です。が、言わないとこういう発言をする人は減らないので、しょうがない。にこやかに怒る、を心がけている。子供を産まない人は生産性がないと言われ、産めば社会からのサポートはとても小さく、仕事を辞めると「女性は仕事を辞める」と言われる世の中で、こういう怒りを表明しなければ、日々戦っている女性たちに申し訳ない。

こういうニュースを連日見ているとげんなりするし、ネガティブな感情を持つのだってしんどい。が、これまで当たり前に横行してきたことが今、どんどん晒されていることは絶対にいいことだ。#私たちは女性差別に怒っていい というハッシュタグが登場したのを見て、何かが変わり始めたか、という気配を感じる。これまでの、怒り=ネガティビティ という構図から「怒ってもいいはずだ」という空気感になってきているのかなと。怒りとネガティビティは絶対的なイコールではない。ポジティブな結果に変えられるのであれば、怒っても良いのだ、とアメリカの#metooを1年近く見てきて思う。旧体制が心地よかった人たちは覚悟してください。

備忘録:アメリカの女性たちの力が#metooをついに文化ムーブメントを変えた(The Guardian)