ニュースジャンキー
今年の正月はひとりでニューヨークで過ごそうと決めていた。まとまった時間が必要な仕事があったから。なのにタイムラインに流れてくる南の島の写真に、どこか行けばよかったかななどと考えそうになる。
せっかく我慢して陣地にとどまる決断をしたのだから、仕事をしなければ意味がない。自分を叱咤激励して、大量の原稿を書いている。
今書いているマリファナの本のリサーチで、ニクソン時代の資料を読み漁ったり、ウォーターゲート事件を再構築して評判になったポッドキャスト「Slow Burn」のシーズン1を今更キャッチアップしているのだが、今起きている状況と恐ろしいほどのパラレルがある。いつかこの悪夢は終わるのだろうか。
「Slow Burn」によると、当時ウォーターゲート事件をめぐる報道中毒に陥ったニュースジャンキーたちがたくさんいた。今の自分もまさにそれである。朝起きた瞬間にニュースをチェックし、寝る直前までニュースを読んでいる。1日に1度くらい、電話に流れてくるニュースの見出しに「マジか〜」と声に出して反応している。それくらい毎日いろんなことが起きる。エンターテイメント性(中毒性)はかなり高い。アメリカ政治のゴタゴタが解決したら、どうしていいかわからなくなりそうで怖い。が、そんな日はきっと来ないのだろう。
トランプ時代になって、ジャーナリストの志願者は増えているらしい。頼もしいことだ。
Yumiko Sakuma