エアライン狂騒曲
絶対に、と決めているわけではないのだが、ハロウィンの週末は、空の旅を予約するのがいい、ということに気がついた。私がいる可能性が一番高いニューヨークも、東京も、ハロウィンの日は、なるべく遠ざかっていたいタイプのカオスが広がっているわけで。だから日曜日の夜は空にいた。
DELTA航空が導入したA350に乗りたくて、デトロイト経由のDELTA便で帰宅した。気がついたら、DELTAは4クラス(ビジネス、プレミアム・セレクト、プレミアム、エコノミー)になっていて、ビジネスクラスの値段が高騰するとともに価格帯が広がっている。どのクラスに乗るかは、仕事の業況とかいろいろの要素をもとに決めているのだが、クラスによって雰囲気がずいぶん変わるので、だんだんケチることがしんどくなるお年頃である。
この日は、成田を飛び立って5時間後くらいに、後ろのほうから怒鳴り声が聞こえてきて、ドキッとする瞬間があった。CAさんがなだめに行く声が聞こえ、そのままなんとかおさまったようだったけれど、ただでさえストレスの多い長時間のフライトで喧嘩なんてまったくゾッとする展開である。飛行機の中で暴れるとどういうことが起きるか、ときどき見かけるニュースで知っているつもりだが、それでもこうなっちゃう人がいるのである。
政治的分断が悪化する今日この頃、特にこういう暴れん坊が、人種差別発言などした日には、世の中がひっくり返る大騒ぎになるわけです。最近もLCCのライアンエアーで、白人のおっさんがジャマイカ系の女性にひどい人種差別の罵り言葉をぶつけて大騒ぎになっていたが、ショッキングなのは、離陸前にもかかわらずエアラインがこのおっさんを除去するかわりに、女性が席を移動する羽目になった、という部分である。これは世の中から総スカンを受けて、警察の捜査やボイコットなどの国際的なPRデザスター(大惨事)と言われる事態に発展している。国際的スタンダードができつつあるが、日本のエアラインは大丈夫だろうか。
備忘録:ライアンエアー、客の人種差別的暴言事件はPR大惨事にしてはいけないことのケーススタディ(The Washington Post)