アメリカの男女均等賃金デー
月曜日。朝起きたらタイムラインが#equalpaydayで埋まっていた。男女間の賃金格差を是正しようという日である。アメリカでは、同じ仕事をしている男女に賃金の格差をつけることを1963年に禁じたはずなのだが、そもそも給料というものが個々のスキルや経験によって算定されるものであるうえに、やっぱり女性には少ない額を支払うという文化は根強く存在していて、政府のデータによると、女性の賃金は男性のそれの79%となっている。それを是正しようというムーブメントが今盛り上がっているのである。
最近、映画「On the Basis of Sex」を見た。邦題はなんだと思ったら、「ビリーブ 未来への大逆転」すごいな、このタイトル。
今も、最高裁のベンチに唯一女性判事として現役で座り続ける我らがルース・ベイダー・ギンズバーグが、男女の機会均等を実現するために、看護人としての税金控除を却下された男性のケースを手がける実話を元にしている。その中に、彼女がACLU(アメリカン・シビル・リバティ・ユニオン。マイノリティの公民権や表現の自由などを守るために設立された団体)に協力を要請しにいって、「女性は人口の51%だからマイノリティではない」と突っぱねられるシーンがあった。すったもんだがあって、ACLUも最終的には彼女の戦いに参加するのだが、そのへんは映画を見てほしいと思う。
ルース・ベーダー・ギンズバーグは、そのあと、ACLUの女性の権利部門のディレクターとして、女性の機会や賃金を是正するためのケースをいくつも手がけ、それが「我らがRGB」と言われる所以です。ドキュメンタリーもあるよ。
ところで、最近、世の中には、女が下に扱われて何が悪いの?と本気で思っている人たちがいるってことがわかってきた。なんで賃金格差がまずいのかと思ったときに、思い出すエピソードは、何年か前にアナ・ハサウェイにインタビューしたとき彼女が言った言葉である。「(男性が1ドルもらう間に、女性がもらう額が70セント台だとしたら)20〜セント分はただで働いてるってことだよね」。
彼女が始めた戦いはこうしてまだまだ続いていくのである。