事実は小説よりも・・・大富豪とタブロイドの戦争
日々起きるニュースのあれこれのエンターテイメント性の高さにだんだん感覚が麻痺する今日この頃だが、昨日、ここしばらくの事件を軽く凌駕する事件が起きた。
ことの起こりは、アマゾンのCEOジェフ・ベゾスが、ミディアムに寄稿して、タブロイド紙の出版社AMI(American Media Inc)にゆすられた、と発表したのである。AMIは、ナショナル・エンクワイヤラーの出版元である。スーパーのレジの横に置いてある、「ジェニファー・アニストン、失恋」とか「〜〜ゲキ太り」などのセレブいじめネタのヘッドラインが踊る、一番品のないタブロイドである。ベゾスの寄稿を読むとどうやら、ベゾスと浮気相手のセクスト(エロメッセージ)をAMIが入手して、これをベゾスが逆に調べたところ、AMIから接触を受け、セクスト不掲載に対する条件を提示された、ということが起きた。これを立派な脅迫だと判断して、長年の妻と離婚を発表したばかりのベゾスが、その顛末を、AMIからのメール全掲載の文章で発表した、ということらしい。まじか。
ちなみにこれを読むと、AMIが入手していたセクストに、男性器を含むセルフィーだったことがわかる。世界でもっともパワフルな男の一人にしては、あまりに無防備だと笑ってしまうが、デビッド・ペッカー会長兼CEOは、トランプと不倫の関係を持ったポルノスター、ストーミー・ダニエルズに口止め料を支払う仲介をしたということで、当局と司法取引をしたばかり。さらにメールという証拠のある脅迫罪に手を染めるとは、さらにバカであった。まさかベゾスが、自分からすべてを公表すると思わなかったのだろう。毎日、信じられないことが起きる。
Yumiko Sakuma