DiaryYumiko Sakuma

名古屋の読書会に参加してみた

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名古屋の読書会に参加してみた

幼少時代、祖父が名古屋に住んでいたことでたくさんの時間を名古屋で過ごしたにもかかわらず、本を持って名古屋に行けたことがないことがずっと引っかかっていたので、今回のブック・ツアーを組む際に、名古屋に行きたい、とTwitterでつぶやいてみた。そのツイートを見た紫原明子さんからのお誘いで、名古屋生まれで今は全国で展開している猫町倶楽部の読書会に参加してきた。

まったく知らない人ばかりの現場に行くのはちょいとドキドキする体験ではあったけれど、あらかじめ本を読んだ人たちが集まってディスカッションするという趣旨の読書会。今回、参加してくれた人は80人を超え、書き手冥利に尽きるイベントだった。各5人ほどのテーブルに分かれてディスカッションしているところを、私がまわって、質問に答える。「名古屋はヒップではないんですが」などという声も聞かれたが、知らない同士が集まって、活発なディスカッションをするというやり方が、まさにヒップではないですか?と答えた。大人になると、知らない人となにかを議論するというチャンスはなかなかない。なかなかに踏み込んだ内容の質問も多く、私も勉強になった。

ところで猫町倶楽部には元ネトウヨの会員がいるという話を耳にした。この会に参加するようになって、ネトウヨをやめたという話である。ヘイトが生まれるには理由があるし、リアルな人との触れ合いがヘイトを洗い流すってあるんだなあと感激した。それで思い出したのは、何年か前に翻訳した「テロリストの息子」のことだ。中でも一番印象に残っているのは、テロリストの父親に、アメリカやユダヤ人、同性愛者などを憎むように教え込まれた息子が、テーマパークのバイトで「悪」だと言われていた人と触れ合って、ヘイトから離れていく、というエピソードだ。この本は出て時間も経ってしまっているし、期待したほどバズらなかったのだが、それでも今、彼のメッセージが重みを持つと思う。

備忘録:「テロリストの息子」が、TEDで人生の希望を語った(Newsweek Japan)