2020年の大統領選
最高裁判事に任命されることがほぼ確定のブレット・キャバノーに、過去の性的暴行疑惑が浮上してきて公聴会が荒れている。数の原理で行くとほぼ確定と思われているが、キャバノーが就任すれば、中絶の権利が覆される可能性があるとの懸念が大きく、かつキャバノー氏の実績についての文書の公開を共和党が拒んでいることから、民主党からせめて公開しろとの圧力がかかっているところにきて、今回の疑惑浮上である。
それはそうと、ワシントンDCの人気の上院議員コリー・ブッカーが一般公開が禁じられていた文書をリリースしたことを長老議員に咎められ、除名をちらつかせられた際に「やってみろ」と楯突いたビデオに、私のまわりの左派ニューヨーカーのみなさんがメロメロになっている。ブッカーは医薬界からかなりの献金を受け取っているので確実にクリーンとは言えないが、そのカリスマ性に評価が高い。2020年の大統領選では候補のひとりと目されている。
日々のゴタゴタに追われ、また中間選挙を目前に控えて一瞬忘れかけていたが、次の大統領選がもう2年強後に控えている。民主党側で取り沙汰される名前のリストはけっこうに長く、いまひとつリアリティを感じられないのだが、さらに民主党の外から左派のダークホースが登場した。現大統領と不倫をしたと名乗り出たポルノ女優ストーミー・ダニエルズの弁護士マイケル・アェナティである。この騒動が持ち上がるまではまったく無名だった弁護士は、トランプのような攻撃的なスタイルと便の強さであっという間にスターに躍り出た。大統領選に、なんて声が出たときには冗談かと思ったが、本人的にはまんざらでもないらしく、Twitterで様々な争点に対する自分のスタンスを表明したりしはじめた。実際に出馬するかは置いておいて、この数ヶ月の間に、左派の論客としての立場を確立したことは間違いない。そしてコリー・ブッカーの文書リリース事件のあと、Twitterでブッカーに絡み始めた。ついに左側でもプロレスの前哨戦が始まったかのような感がある。おもしろい、おもしろすぎる。が、おもしろがっている場合なのだろうか。