新星登場
ペンシルバニアのキャビンで目が覚めた。みんながモノポリーをやっている間に寝てしまったらしい。起きるとJPの母のジュリアが、朝食とコーヒーを用意してくれていた。フィリピンから移民としてやってきたジュリアとフランシスの子供のJPは、今またアジアに移住しようとしている。父親のフランシスに「ごめんな」と謝る場に居合わせた。「いろいろ状況が変わったんだ」と。アメリカはもう機会の国ではなくなってしまったのだ。
みんなに別れを告げて、先に出発した。ニューヨークに戻る予定になっていた。帰りの車のなかで、たまっていたアメリカのニュースを一気にキャッチアップする。自分がいる場所のことしか考えられないという悪いクセのせいで、いつも遅れて追いつこうとしているなあ。
いない間に起きたことのひとつに、マイケル・アヴェナティという人の登場があった。トランプ大統領と性的な関係を持ったストーミー・ダニエルズというポルノ・スターの弁護士を引き受けたときにはほぼ無名だったアヴェナティのことは、登場してきたときから注目していたが、このわずか数ヶ月の間に左派の論客に成長していた。ダニエルズの弁護をしながら、トランプのような戦闘的なスタイルで、理路整然とリベラルの主義主張を絶妙にプッシュするスタイルがウケて、気がつけばコミュニケーションとメディア戦略が下手な左派がまさに必要としていたスーパースターになりつつある。頼もしいなあとのんきにしていたら、もはや大統領出馬すら考えているらしい。数ヶ月前にまったく無名だった弁護士が大統領選に出馬する可能性ができる・・・こういうことが起きるのがアメリカである。こうやってまたアメリカのニュースに吸引されてしまうのであった。
備忘録:Fast で Furiousなマイケル・アヴェナティ
Yumiko Sakuma