実店舗ショッピング

冷蔵庫を買うために老舗のアプライアンス屋に電話した。ファースト・アベニューにあって、おじいちゃんたちが何人も働いているような店である。電話でサイズを伝えたら見繕ってくれたのだが、モデル番号をGoogleで検索して大丈夫かどうか確認してくれという。Googleで確認して実店舗で買う。いいやり方だ。19歳のときに沖縄に駐在したというおじいちゃんと、ハワイとか沖縄とかにビルや基地を作る奴らの気がしれないね、という雑談なんかをしたりして。そして、ペンシルバニアに長距離運転する前に、タイヤのチェックに行った。イタリア系の家族がやってる老舗のオートショップだ。受付にいる息子に、電話向こうのおばさんが「あんた、〜〜の息子?どこの高校に行ったの?」なんて話をしているのが、息子の返事でわかる。クルマを修理にもってきたおじさんが待合室でうつらうつらしている。平和だ。

ニューヨークに来たばかりの頃はよくわからなかったから、大手やチェーンの店によく行っていた。価格が決まっているから安心だ、と言われていたのである。個人経営の店はいい値だからリスクが高い、と。が、結局、個人の店がいいと思うに至った。いろいろ融通が効くし、ケアがきめ細かいから。おじちゃんたちと雑談をするのが好きだから。が、それだけではない。オンラインでのオプションが多すぎて、雑に注文するとサイズや規格を間違えたりするし、実店舗のほうが行く手間さえ厭わなければ、なんでもぱっぱと進む気がするのだ。

タイヤ屋に一時間ほどいて、ペンシルバニアの友達のキャビンを目指した。途中、Reply Allというポッドキャストで、アマゾンについてのエピソードを聞いた。サード・パーティのセラーたちが、トップセラーの位置を確保するために、アルゴリズムやレビュー制度を操作している、という話である。アマゾンショッピング時代の終焉が見えたよ、少なくとも自分にとっては。とはいえアマゾンは、せっせとビジネスを多様化しているので、びくともしないのかもしれない。ちなみにアマゾン株、今日時点で1886.52ドル。

備忘録:まだフェイクレビューを書いてお金をもらっている人たちがいる(The Christian Post)