南部と政治と人種差別
最近、映画「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(英題:The Help)を見た。ミシシッピ州ジャクソンで、奴隷制が終わってからも白人たちから隔離され、メイドとして使われていた黒人女性たちのストーリーである。低賃金で白人家庭に仕え、家事や子育てをする黒人のメイドたちの扱いは、言うまでも酷い。しかも舞台は60年代だから、それほど昔のことでもないうえに、南部は時間の流れが遅いので、同じ人間を下等なものとして扱っていた歴史の名残りがまだある。
そのひとつが、今日、ミシシッピで行われている上院議員選挙である。中間選挙のときに決着がつかなかったので特別選挙が行われることになったのです。共和党の候補は白人女性シンディ・ハイド=スミス。「投票をちょっとだけ難しくしよう」と発言したビデオが見つかったり、白人が黒人をリンチした歴史のあるミシシッピで「リンチの儀式に出席したい」などと冗談で言ったことが明らかになったり、あきらかに人種差別主義者である。民主党の候補は黒人男性。クリントン時代に下院議員だったこともあるマイク・エスピー。これを書きながら選挙速報を見ているのだが、エスピーが勝てる可能性は限りなく低そうだ。投票率は伸びなかったし、農村部が保守主義の強さを見せつけた。
備忘録:人種差別政治が白人女性に人気のある理由をアメリカ政治で解説する(VOX)
#人種差別政治
Yumiko Sakuma