2018年の投票妨害
信じがたいことに2018年のアメリカで、法律を巧みに使った組織的な投票妨害が存在する。現職の共和党知事(白人男性)に黒人女性の民主党候補が挑むジョージアでは、帰化アメリカ人やIDと現住所が一致しない有権者5万人の有権者登録が「ホールド」され、その正当性が法廷で争われている。フロリダでは、felon(重罪)の判決を受けると、服役や罰金などの懲罰の責任を果たしたあとも、有権者復帰を申し立てて州に許可されなければ投票できない。きわめて恣意的な手続きを経て、復帰の許可(または否定)を与えるのは現職の知事(共和党・白人男性)が率いる委員会なのだが、1万人以上がこの手続きを申請していて、委員会に呼ばれるまでに10年もの時間がかかる場合がある。ノースダコタでは、投票するためにはストリートアドレス(住所)が記載された身分証明書を提示しなければならないが、ネイティブ・アメリカン居留区に暮らす人たちにはストリートアドレスはない。こうした施策は、共和党が権力の座にいる州でせっせせっせと作られてきたトリックだ。マジか、アメリカ。
#投票妨害
Yumiko Sakuma