アメリカの民主社会主義
やまちゃんとムラカミカイエに強く勧められて、遅ればせながら「そろそろ左派は<経済>を語ろう」を読んでいる。日本の左派の経済アレルギーや経済観念の欠如、現実感のなさが余すことなく語られていて、深くうなずきながら読む。
お隣の中国が華麗に市場経済を手に入れたのを横目に、なぜ日本ではいまだに金持ち叩きが起きるのだろうかと不思議に思っていたのだが、疑問に答えてくれる一節があった。
北田暁大氏:(略)一般的にアメリカのほうが弱肉強食の競争社会のように思われているけれども、実は日本のほうが他者への信頼度は低く、懐疑的で、結果的に協調行動における不利益をもたらしている。この社会心理学的実験(山岸俊男氏による信頼研究)は示唆的で、「パイは限られている」という日本人的発想は、他者を一般的に信用するという、協調への期待の貧しさを示しています。一般的信頼が高いアメリカのほうが他者の協調への期待が活発で、要するに「イスが足りなきゃ増やせばいいじゃない」という発想と結びつきやすい。
なんか悲しいなあ。パイは大きくできるはずなのです!
それはさておき。アメリカでは中間選挙を前に、富に「Democratic Socialism」という言葉を目にすることが増えた。バーニーズ・サンダースに続く、新世代のアクティビストたちが力をつけ始めているからだ。民主党の予備選で、現職の下院議員を破った29歳のアレクサンドリア・オカシオ・コルテスもそうだし、ニューヨーク州知事選の予備選に破れたシンシア・ニクソンもそうである。旧社会主義とは一線を画し、コープに近い形で政府や企業を運営し、福祉を整備するべきだと信じる彼らは、ミレニアルを味方につけている。が、Sワード(Socialism)へのアレルギーの強いこの国で、彼らの勢力はどこまで伸ばせるのか。結局、若者がどれだけ投票に行くかにかかっているようである。
備忘録:社会主義はかつてアメリカ政治のタブーだった。今、デモクラティック・ソーシャリズムが活力あるプラットフォームになっている。知るべきこと(TIme)
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